インド事業

2019年5月20日 (月)

インドでの取り組み

1.太陽光発電・蓄電システム

停電に備えた蓄電システムで、24時間倉庫の温度管理をします。

 

なぜ、太陽光発電・蓄電システムなのか?

 埼玉県坂戸市にある川崎陸送㈱坂戸流通センターでは、2014年より、この太陽光発電・蓄電システムを採用しています。

日本は地震大国です。2011年3月11日に東日本大震災が起こった際、津波により福島第一原発の事故が起こりました。

福島第一原発及びその他原発の運転停止により、発電能力が下がったため、政府による計画停電が行われました。

その時川崎陸送は、お客様の荷物・商品を自分たちで守らなければならないことを再認識し、

BCP (Business Continue Plan)を導入することを決めました。

 電力会社からの電気供給に頼らないよう、太陽光発電と蓄電システムを、倉庫の運営に利用することにしたのです。

インドでも、このシステムを応用します。

 

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▲昼間の発電・蓄電システム

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▲夜の発電・蓄電システム

 

昼間は、太陽光発電でつくられた電気を使って、エアコンを稼働させると同時にバッテリーを充電します。

夜間や、天気が悪くて太陽光発電ができない時は、充電したバッテリーのエネルギーを使ってエアコンを稼働させます。

川崎陸送は、お客様の物流を止めません。

 

2.庫内の湿度を調整する、日本の伝統的な工夫

1)漆喰

漆喰とは何か?

漆喰とは、日本の伝統的な壁材です。

漆喰とは、消石灰、砂、のり、細かく切った植物を、水で混ぜて練ったものです。

消石灰とは石灰岩を焼いた後、水につけて、化学反応を起こさせ、粉末状にしたもので、

石灰岩を壁材に使う技術は、今から約5、000年前にエジプト・ピラミッドで既に使われていました。

昔の日本の米蔵にも、高温多湿の環境下でお米を保管するために、多く用いられています。

 


漆喰の特徴

・湿気を吸い、カビの発生を防ぎます。

・塗ってから5年程アルカリ性を保ち、カビの発生を防ぎます。

・不燃素材なので、火事になっても建物が燃えにくいです。

・植物の繊維を細かく切った物が含まれていることにより、壁が割れにくく強度が増します。

・嫌な臭いを吸収します。


 

シングール倉庫では、漆喰を壁に厚さ6mmで塗っています。

700kgの漆喰を使いました。

 

漆喰を使って、食の安心・安全を守ります。

 

2)荷摺り

 

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▲荷摺りのイラスト

 

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▲実際に荷摺りを取り付けた倉庫内

 

荷摺りとは、倉庫内の壁に木の格子を取付けたものです。

米や塩などを保管する倉庫において、日本の高温多湿な環境下で、

冷蔵設備がない時代から用いられてきた伝統的な工夫の一つです。

倉庫内の空気が、格子の隙間を通って自然循環するので、湿気が滞らず、カビの発生を防ぎます。

また、クレートなどが壁にぶつかって破損しないよう、壁を保護する役割もあります。

 

 

3.流通加工作業

流通加工とは何か?

流通加工とは、市場に出す前の野菜を選別したり、パッケージングしたりして

そのまま野菜を売るよりも、より価値のあるものを消費者へ提供する為の作業のことです。

 


例えば…

・状態の良いモノを選んで分け、傷んでいる野菜を取り除く

・大きい野菜、小さい野菜とサイズごとに野菜を分ける

・パッケージングをして、汚れたり、傷んだりしないようにする

・鮮度が長持ちする特別な袋に入れる


 

このようなことを、流通加工作業といいます。

クリーンな環境の維持食品の安心・安全を守る為には、きれいな環境が必要です。

その為に、我々は5Sを徹底します。

 


5Sとは

1) 整理:   必要なものと不要なものを分けて、不要なものを処分する

2) 整頓:  決められた位置に、決められたモノを配置する

3) 清掃:   職場と備品を掃除する

4) 清潔:  整理・整頓・清掃の規準を守る

5) しつけ:   5Sのルールを続けていく


 

付加価値をつけて、より良いものを消費者に提供することで

野菜や果物を今までよりも高い価格で販売でき、農家の収入増に貢献します。

 

量の販売から質の販売へ

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▲流通加工の様子

 


 

▼第1棟目 シングール倉庫竣工式の様子

http://kawariku-news.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-23ed83.html

 

▼川崎陸送インドでの取り組みはコチラから

http://www.krt.tokyo/ksw/

 

 

2019年2月 5日 (火)

インド第1棟目 シングール倉庫竣工式

▼川崎陸送インドでの取り組みはコチラから

http://www.krt.tokyo/ksw/

▼川崎陸送インド倉庫の特徴はコチラから

http://kawariku-news.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-d9f7d3.html

 


 

 2019年1月21日、インド西ベンガル州コルカタ市郊外のシングール村で、建設していた定温倉庫の完成に伴い、竣工式を開催しました。この倉庫は、JICA(国際協力機構)様のご支援と西ベンガル州政府のご協力のもとに建設され、我々が日本で得意とする定温管理やソーラー自家発電のノウハウを活かした、現地の農産物の保管・流通加工を目的としたソーラー発電・蓄電式の小型定温倉庫となっております。

 竣工式には、アミット・ミトラ西ベンガル州財務・商業・工業大臣をはじめとして、地元農家含め600人以上にご参加いただきました。

 

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▲会場の様子

 

 式当日には、JICA様、JETRO(日本貿易復興機構)様、及び在コルカタ日本国総領事館の方々にもお越しいただきました。

 

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▲ステージ上の様子

 

 

日本・インド両国による国家斉唱の後、パウル・ミュージックの演奏~

 演奏、灯火式、関係者スピーチ、倉庫へ移動してテープカット、倉庫ツアーというプログラムで進行しました。

 バウル(Baul)とは、インド東部及びバングラデシュの農村部に暮らす吟遊詩人たちです。日本でバウル・ミュージックに魅せられて、そのまま渡印し、30年程インドにてバウルシンガーとして活躍されているマキ・カズミ様ご一行にご演奏していただきました。民族楽器を用いて厳かながらも穏やかに奏でられる演奏、そして会場中に響き渡る、聞く人の琴線に触れ心を震わすその歌声は、素晴らしいものでした。

<ご参考:Youtubeにアップされているマキ様のご演奏動画>

https://www.youtube.com/watch?v=QhYkVJ7uDmo

 

 ステージ上で灯火式をおこなった後、各政府関係者の方々からのスピーチを頂戴しました。そして弊社取締役社長の樋口も壇上に立ち、ベンガル語にてスピーチを行いました。現地の方々に、熱い思いが伝わっていたら幸いです。

 

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▲社長のスピーチ

 

 アミット・ミトラ大臣、JICAインド事務所の松本所長様からもスピーチを頂戴し、最後は在コルカタ日本国総領事館の夛賀総領事からスピーチを頂戴した後、日本流「三本締め」をベンガル語で行っていただきました。

 

 倉庫前へ移動し、テープカットを行います。

 

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▲倉庫前の様子

 

 順々にご案内をして、倉庫ツアーをさせていただく予定でしたが、記者の皆さん方が一斉に大臣の後を追ってこられた為、大変な混雑状態となってしまいました。

 

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▲倉庫ツアーの様子

 

 お帰り際に、式にご参加いただいたお土産として、シングール村で収穫された新鮮野菜の詰合せバスケットを皆さまにお渡ししました。

 

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▲流通加工(写真:左からKalpana Majhi、Sumana Bera、Moumita Manna Das、Rinku Maji。)

 

 この野菜詰合せバスケットは、弊社の子会社である、インド現地法人「Kawasaki Solar Warehousing」(KSW)のパートタイマー女性4人が作製しました。バスケットには、パートタイマーが作製した金色の折り鶴も入っています。

 

 農産物の保管・流通加工を目的としたソーラー発電・蓄電式の小型定温倉庫ですので、初めて行う流通加工作業として、流通加工の付加価値をアピールできたのではと考えます。赤キャベツ、茄子、にんじん、トマト、ピーマン、ブロッコリー、赤パプリカ、黄パプリカを詰合せて、西ベンガル州の野菜がいかに美味しいかを再認識していただくきっかけになったと思います。

 

 会場ではケータリングのメニューとして、天ぷらを提供させていただきました。

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▲ケータリング様子(オクラ・かぼちゃ・なす・バナナの天ぷら)

 

その他会場内の様子

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▲KRTとKSW社員

 

 多くの方にご協力いただき、無事竣工式を迎えることができました。

ご協力いただきました関係者の皆様へ深く感謝申し上げます。

 

以上

 

現地の新聞各社に、弊社の竣工式を取上げていただきました。

 

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